なおし家アカデミー|深層筋鍼法×セルフケアを学ぼう
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IT社会がつくり出したパソコン・スマホ病(デスクワーク疾患)、パニック障害のなどの現代人が悩んでいる症状・病気に適応できるため需要が大きい 。
理論としては、「筋膜」と「深層筋・表層筋」を理解すればよく、他の理論は特に必要ない。
触診などの基本を教われば初心者でも治療効果を出せ、短期間の教育で身につけられる鍼法なので指導者にとっても鍼灸師(受講生)にとってもメリットが大きい。
深層筋鍼法を一言でいえば、「一本の鍼で、表層から深層までのコリを変化させていく鍼法」
1.
鍼でなければ届かない深部の治療を行う
2.
表層筋や筋膜のコリの治療も行える
3.
置鍼などは行わず、1本の鍼でコリを1層ずつ溶かす
4.
ほとんど無痛で施術できる
5.
「筋膜」と「深層筋・表層筋」の理解があれば他の難しい理論は必要ない
6.
コリを把握する触診と溶かす鍼ができれば、初心者でも効果を出せる
7.
現代病の1つであるパソコン・スマホ病(いわゆる、デスクワーク疾患)に対応できる
8.
(筋肉・腱が原因となっている)五十肩や坐骨神経痛などの慢性病に対応できる
9.
パニック障害や自律神経失調などの心身疾患に対応できる
10.
他の鍼法との併用もできる
2000 年以降「深層筋・表層筋」のことが解り、2010 年以降は「筋膜」 のことが解剖学・⽣理学・病理学として解明されてからは、深層筋鍼法の施術方法が、医学的にも裏付けできるようになってきました。つまり、筋・ 腱の疾患に対しての施術を「筋膜の理論」と「深層筋・表層筋 の理論」から、西洋医学的にも説明ができるようになってきたとい うことです。このように深層筋鍼法のベースとなっているのは、「筋膜の理論」と「深層筋・ 表層筋の理論」です。
コリは表層から深層にすすんでいく場合や、いきなり深層からこる 場合など様々なパターンがあります。 表層のコリが慢性化して深層にすすむ場合、最初に現れるコリは、表⾯の経絡上に現れます。当院で は「筋膜のよじれ」と呼んでいます。(チャートの A)「筋膜のよじれ」が慢性化すると、癒着し硬くなって「⾻ぎわのコリ」 となります。ちょうど⽷どうしがよじれ絡んで、⽷⽟になるようなイ メージです。このコリは、⾻ぎわの腱に起こります。(チャートの B) 腱は、筋⾁と⾻の付着部に筋膜が集まって構成されています。さらに慢性化し、硬くなって癒着したコリは、最終的に⾻膜に現れ ます。これを「⾻膜のコリ」と呼んでいます。(チャートの C)
それらのコリをとらえて鍼や⼿技を⾏うとコリが変化して、症状が 改善されます。深層筋鍼法では、慢性化したコリである B「⾻ぎわのコリ」や C「⾻膜のコリ」を変化させるために、⾻ぎわに鍼をすることが多いのです。 もちろん、A「筋膜のよじれ」によるコリも鍼で施術することができます。
デコピンの強さを変えることで、様々な⽪膚にほぼ無痛の切⽪ができる
痛くない切⽪は課題でもありました。鍼灸学校で習う切⽪から、中指だけで叩く切⽪など、⾊々な切⽪を試してみ ました。10 年以上かかりましたが、ほとんど痛くない切⽪ができる ようになりました。 それが「デコピン切⽪」です。この「デコピン切⽪」なら、誰もが、すぐに痛くない切⽪ができます。 具体的には、母指と⼈差し指でおでこをパチンとやるように、鍼管の先をたたきます。 デコピン切⽪は弱い⽪膚から、強い⽪膚まで⾃在に⼒を調節できま す。硬い腱には、強いデコピンでパチッと鍼頭を叩き、柔らかい⽪膚 には軽く⾏います。ただ敏感な⽪膚の⼈で軽い切⽪で痛む場合は、表 ⽪での防御が強いので、この防御をかいくぐるために、パチッと強い切⽪をする⽅が痛みません。
痛みを感じるのは表⽪にある痛覚です。鍼先が痛覚を刺激して痛みを感じます。敏感な⼈は少しの刺激でも痛みを感じるので、痛覚が刺激を感じないくらい速く切⽪すると、 痛みを感じないようにすることができるのです。部位と敏感さによって、デコピン切⽪の強さを加減するのです。もちろん⾃分のやり⽅で 100% 痛くない切⽪ができればよいのですが、それができないのであれば、ぜひこのデコピン切⽪をお試しください。
深層筋鍼法には、4 つの技法があります。この4つの技法を使って、コリを変化させていくことで症状を改善 していきます。
溶かす鍼(溶鍼) 主に筋⾁の表⾯にできる慢性化していない 筋膜のよじれ・筋膜のコリを対象にする。
拘縮を取る鍼(拘縮鍼)癒着して硬くなったコリを対象にする。筋膜・腱がほぐれ、軽くなる、痛みが取れるなど、筋⾁と腱の 症状が改善。
⾻にあてる鍼(⾻鍼) さらに慢性化した⾻膜のコリに対して⾏う。
反射を起こす鍼(反射鍼)経絡に現れるコリに対して⾏う。内臓治療などを⽬的とする。
⼀般に⾏われている2本押し⼿では、深層筋などの深部にあるポイントを正確に鍼で当てることができません。深い所に圧をかけられないからです。2本押し⼿は、表層の⽪膚、筋膜、筋腹への鍼には適していますが、深部への鍼を⾏うことに適していません。
深層筋への的確な鍼には「3本押し⼿」をおすすめします。3本押し⼿ができて初めて深層筋への和鍼での治療が開発されたと⾔ってもいいと思います。3本押し⼿は東京代々⽊の⾚ひげ堂院⾧ ⽵内信賢先⽣の創った押し⼿です。
表層への鍼も、深層を施術する時も 3本押し⼿を使います。3本押し⼿ですと、表層のツボにも深いツボにも安定した鍼が可能となります。3本押し⼿に慣れると2本押し⼿には戻れないくらいです。どの部位でも⾃在に、的確に安定した鍼ができるからです。
3本押し⼿は、中指でツボをとり、その中指はツボを押さえたままにして、ツボに刺し⼿で鍼を⼊れた鍼管を置き、母指と⽰指で鍼管をしっかり握って鍼管を⽴てます。それが3本押し⼿の手法です。